第33話 軍人シタールと宝の地図

「どうせすぐ飽きるんだろ?」

そう思われていたカリタスの財宝鑑定修行だが、



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意外と順調に、



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腕を上げている毎日だ。

冒険スキルの利点として、様々な物語、歴史的事実を知ることが出来るというものがある。
カリタスは確かに飽き性だが、このようなトリビア的な楽しみは嫌いではない。

しかし、ソロの地図掘りを延々継続できるほどに勤労の美徳を知る訳ではないのがカリタスだ。
たまたま近くに来ていた軍人のシタールさんを誘い、気分転換にクエストをこなして遊ぶことにした。


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マルセイユの海事ギルドに赴き、入っている依頼をチェックする。
この港やジェノヴァは中堅レベルの海事依頼が集中して入ってくるせいか、戦闘キャラベル以降の軍人達のメッカとなっている。

シタール「ちょっと二人だとレベルがキツイので、もう一人呼びますね」

シタールさんがアンナマリーさんを呼び出す。
他のネットゲームからの知り合いで、非常に好戦的な方とのこと。

軍人が3人揃えばそれなりの戦力。「ここは一つ、☆6の『商船狩り』にチャレンジしてみよう!」と言うことで意見の一致を見た。

シタール「まぁ、突撃するのはアンナマリーだけですからね。」
カリタス「僕らは安全に後方支援で。」

この辺りの意見の一致はオフレコにしておく。



*       *        *



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アンナマリーさんが到着するまで、書庫で時間を潰すカリタス。
財宝学の本を読んでいると、たまに宝の隠し場所に関する情報を得ることが出来る。
それを地図に書き写し、宝を堀に行くという手はずだ。
閲覧には決して安くない料金がかかる上に、地図が手に入る確率はそれほど高くない。ギャンブルであるが、夢を買っていると思えば安い買い物だ。

シタール「アンナマリーが、『外科手術持ってるよね?』と不安そうに聞いてきていますが・・」

外科手術とは、白兵で減った乗組員を快復するスキル。
砲撃手であるカリタスは当然持っていない。

シタール「まぁ、潔く死んで貰いますか。」
カリタス「そうですね。」

軍人二人、こう言うときだけあうんの呼吸。



まぁそれはそれとして、せっかくだからシタールさんに書庫あさりを体験して貰うことにしよう。
学問スキルは艦隊共通なので、財宝鑑定スキルを持つカリタスと一緒に書庫に篭もっているシタールは、いまだけ財宝鑑定の書物を閲覧することが出来るのだ。

金を払い、ペラペラと書物をめくるシタール。

しかしそれほど簡単に地図がでるわけもない。

更に金を払い、ペラペラと書物をめくるシタール。

しかし、まだまだ地図はでない。

ディカード金貨を学者の目の前に叩きつけ、更に書物へ向かうシタール。

・・・・・。

浪漫への投資だとばかりに財布の紐を緩め、書物をガリガリとめくるシタール。

・・・・・・・・・・・・・。

シタール「カリタスさん。」
カリタス「・・はい。」


シタール「パチンコ屋を『銀行』って言うオッサンの気持ちが、よく分かりました。」



煤けた背中で書庫を出るシタール。
それを見送るカリタスの足下には、読み散らかられ、とうとう一枚の地図の情報も出さなかった外れ書籍が、大量に積み重なっていたという。



*       *        *



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その後、アンナマリーさんと合流し、順調に海事クエストをこなす面々。
相当量の経験値と現金を手にすることが出来た。


海事は楽しい。しかも効率よく金も経験も手に入る。
冒険のクエストは外れもある。書庫で地図を漁って大損することもある。クエストの報酬もピンキリだ。

それでも冒険クエストは魅力的だと思う。他のクエストにはない、浪漫という報酬があるからだ。

・・しかし、まぁ、今度誰かを誘うときは、それなりに現金も儲かる依頼にしよう。

書庫に大量に積み捨てられたシタールさんの書庫閲覧代を脳裏に浮かべ、カリタスは頬に一筋汗を垂らす。
太平洋の夕日は、そんなカリタスを見つめつつ、静かに沈んでいった。



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投稿者 kal : 00:22 | コメント (0)
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